
確かに、虫歯で、歯は溶けて欠けていきますし、歯周病では、歯肉が炎症を起こし、骨が溶けていきます。
しかし、歯や歯茎が、悪くなる原因はこれだけではありません。
下の写真を見てください。
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矢印部分の歯は、犬歯ですが、先の部分が、磨り減っています。
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少しずらして、咬んでもらったところです。
磨り減った部分が、ぴったり合っているのがわかりますね。
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歯の歯ぐきに近い部分に注目して下さい。
歯ぐきが、下がり、歯根が少し露出し、楔型にけずれ、しかも軽い虫歯になっています。
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このように、咬む力により、歯を支える骨が吸収し、歯ぐきが下がります。
また、その力は、歯の内部にも影響し、特に、歯ぐき付近の歯の構造物(エナメル質、セメント質、象牙質)に、ひずみが貯まり、破壊され、写真に見られるような欠損が生じます。
そして、時々、知覚過敏を発症し、しみて痛むことが起こるようになります。
しかし、これは歯を揺さぶるような力が長時間、歯に作用した場合に起きるものであり、日常の食生活で、発症するものではありません。
その異常な強い力の正体は、歯ぎしり、喰いしばりによるものです。
この現象を樹木にたとえると下の図のようになります。

風(青い矢印)が吹くと、根元(赤い矢印)の部分に強く力が、加わります。
歯も同じように歯ぎしりの力(横方向の力)が、加わると歯の根元に力の影響が、集中します。
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★歯ぎしり、喰いしばりの影響 |
[顎関節への障害]

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◎ 開口、閉口時の痛み。
◎ 開口、閉口に伴う顎関節の異音。
◎ 口が、開けにくい等の開口障害。
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咬みしめることにより、下顎頭が、関節円板を、圧迫し炎症が引き起こされます。
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[歯への障害]
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◎ 咬耗。
◎ 破折。
◎ 咬合痛。
◎ 知覚異常。
◎歯の根元の硬組織の、くさび型の崩壊。
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かなり進行した歯の根元の崩壊(楔型欠損)

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[歯周組織への障害]
◎ 歯槽骨の吸収。
◎ 歯周炎の悪化。
[全身への障害]
◎ 頭痛。
◎ 肩こり。
◎ 腕のしびれ。
◎ 腰痛。
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